鏡牙

地域別情報

人気エリア東京湾、駿河湾、富山湾、瀬戸内海、大阪湾
タチウオゲームの実情をリポート

シーズンカレンダー

夜出船:なし

ヒットレンジ:20〜100m

盛期は8~12月だが、とくに熱いのが8、9、10月。狙うのは岸よりの水深100m以内だが150gのジグも使う。

タチウオの人気が非常に高い関西エリアで、
タチウオジギングの本場といえば
明石海峡を望む大阪湾西部エリア。
全国有数の速潮と、シコイワシ、マイワシ、イカナゴなどの
豊富なベイトが沸く夏~秋には130㎝級のドラゴンも交じる
ハイシーズンが開幕する!
速潮で名高い地区ゆえ潮が緩い小潮まわり狙い

近海ジギングのメッカとして知られる明石海峡を望む大阪湾西部のエリアは、夏秋に大量のベイトが回遊し、それを追ってさまざまなフィッシュイーターが集いタチウオも最盛期が開幕する。

「タチウオのシーズンは8~12月だけど、昨年は8、9、10月がとくに良かった。この最高の釣期は、年によって結構変わるよ」とは明石港・魚英の魚谷なおき船長。

日並でムラが大きいことから別名を「幽霊魚」ともいわれるタチウオも、最高のシーズンに入ると安定した数釣りが続き、大都市に隣接したエリアとは思えない130㎝級の大型も顔を出すのが人気の秘密だ。

「タチウオが安定しない時期は、ジギング船で青物との両狙いになるかな。両方兼用のタックルでやる人も少なくないけど、タチウオで釣果を上げるならやっぱり専用タックルが一番。とくにラインは1号以下にすると、やっぱり釣果が違う」という。

同時に覚えておきたいのは、同地ならではの速潮の影響だ。岸よりを釣る他の地区では喜ばれる大潮まわりは、この地区では逆に鬼門。

「タチウオに限らず、いい釣りができるのは、小潮まわりの日並。潮が速い日は、潮がにごることが多いからタチウオはとくによくない」といい、大潮では出船がないほどだから注意したい。

そんなエリアだけに、狙うポイントは岸よりの緩流地帯で、水深は50~100mながら、120gを中心に浅場では100g、状況で150gがメインとなることもしばしばだ。

「ジグは基本的にはセンターバランスだけど、デカいのを狙う人は、少し大きめの長いジグを使う人も多いね。あと基本的には、スローな誘いで、フォールで食わせることを意識した人がいい釣りをしていることが多いかな」と魚谷船長。

都市近郊のポイントながらドラゴン級が顔を出すことも大きな魅力だ。

大阪湾スタイル①

神戸沖を中心にして岸よりの緩流帯を狙う

トップシーズンとなる秋~初冬は、神戸沖がメインステージ。大潮まわりで入ってきた群れが、小潮まわりで口を使うというサイクルになる。テンヤを使うこのエリア独特のエサ釣りとジギングの船が入り交じって大船団を形成するのがこの時期の風物詩だ。ポイントが近いことも多いので、午前と午後の半日船で狙うこともできる。密集する大船団で叩かれるため、ヒットパターンは一日中目まぐるしく変化するゲーム性の高いフィールドでもある。なお、年末から年明けぐらいの厳寒期には、大阪湾南部の淡島の洲本沖にタチウオのメインステージが移動する。

釣れるパターンは目まぐるしく変わる

ジグは120gを中心に、100gと150gを使い分ける展開。大船団が連日のように叩くだけに、フォール速度やジグのタイプ、カラーなどの釣れるパターンの変化が激しいタチウオならではのゲームが、このエリアの特徴だ。ハマった人との釣果の差が、倍以上開くことも珍しくないから競うことが大好きな関西のアングラーが熱くなる

大阪湾スタイル②

ジャーク後のステイや単純な上げ下げも

連続した速いジャークに手慣れた中級者ほどハマりやすい罠が、ジグを速く上へ上げ過ぎることだと船長はいう。潮が走ればそれによってバイトゾーンが逆に狭くなることもある。ワンピッチジャークで誘ってからのステイや、ロッドによるリフト~ロングフォールは、それを絡めるメソッド。触るレンジが確認できたら、このふたつは必ず混ぜて探ってみよう

スローに見せるメソッドも忘れたくないところ

速潮によるバイトゾーンの変化が激しいから魚谷船長いわく「早く上へ動かし過ぎて失敗する人が多い」ともいう。それを防止するのが、ジグをスローに見せる工夫。細かいジャーク後にストップを入れ潮にジグをなじませる。潮流になびくわずかな動きがときに大きな意味を持つ。アタリの出るタナがつかめたら、ロッドのストロークを使ってリフト~ロングフォールさせるのも悪くない。フォールはリーダーを切られないギリギリまでテンションを抜いて落としてみる。なお、大型のタチウオは、中小型よりはレンジが低いことが多いのは覚えておこう。

大阪湾の船

兵庫県明石市明石港

魚英(うおえ)

タチウオのジグングは予約乗合。季節と釣況によって神戸沖などの午前・午後の半日船と通しの1日船、大阪湾南部の洲本沖への遠征船あり。料金7000円~1万2000円でポイント、出船時間は季節で変動があるので要確認の事。
TEL:078-917-1285

船長オススメカラー

カラーローテの重要性は、こうした大船団ができるエリアでこそ高くなる。ド定番のアカキンやパープル系のカラーに加えて、差し色として効果的なのが、CHパープルゼブラやCHバイトマーカーぐらいの強すぎないグローが入ったカラー。船長いわく「こういう色は持っていて損のないカラー」でときにド定番の色を凌駕することがある。鏡牙ジグベーシックのこの4色は、全国共通の釣れ筋カラー。塗装が強いからタチウオの牙で攻撃されてもカラーの効果が減衰しないのもうれしい。

CHパープルゼブラ/CHバイトマーカー